翌日、登校すると先に来ていた仁奈の質問攻めが始まった。
橘もなぜか加わってくる。
「なんで、勉強教えてくれたの?どんな感じだった?やっぱり優しかった?あと、勉強以外の話したりした?」
「そいつ、彼女いるとか言ってた?俺よりもイケメン?教え方とか教師より上手かったか?」
「ちょ、二人とも質問多すぎ。」
「だって、あの成績1位だよ。頂点に立つ人の性格とか知りたいじゃない。」
「性格よくなかったから。」
「俺よりも、ひどいのか!」
「橘は、性格悪くないじゃん。あいつは、物凄く上から野郎で、俺様の態度だった。なんでか、わからないけど。」
私は思い出しながら、またイライラしていた。
仁奈はそれを聞いてか固まってしまう。
「仁奈、おい、大丈夫か?俺の声聞こえてる?」
「仁奈、どうしたの?」
私、悪く言い過ぎた?
でも、確かに仁奈にとっては憧れのような存在だったかもしれないし…うう、ごめん。
「仁奈…」
「あ、ごめん。ちょっとビックリしちゃって。私の予想通りの人みたいだったから。」
「え?」「は?」
私と橘の声が重なった。
だって、予想通りの性格って言うから。

