下校時刻10分前まで、私達は勉強をした。
周りには図書委員以外誰も居なくなっている。


「あの、今日はありがとう。」

「さっきもルーズリーフに書いたが、ペンを回してるのが目障りだっただけだ。」

「なんで、そんなに上からなの?」

「お前普通科、俺特進科。それだけだ。」

「あっそう。てか、お前じゃなくて私には奈々ってゆう名前があるの。」

「知ってる。」

「え?」


あまりにも小さな声に、私は聞き返した。
けれど、話を変えられる。


「なんでもない。それと、俺の名前は白石祐陽(Shiraishi Yuhi)だ。って、そんなことより、ここから出たら話しかけんなよ。」

「わかってるわよ。お互いに痛い目みたくなものね。」


私は、俺様態度の白石くんに対抗して強気で言った。
でも、白石くんにはかなわないのだ。


「わかってるならいいよ。あと、ここでだけなら話しかけてもいいぞ。許してやる。ちなみに小声でな。」


あまりにも、調子にノッた言い方に再びカチンとなるが私は帰ることにした。


「あ、おい。聞いてたのか。」

「もちろん。ここでなら、話しかけていいってことでしょ?わからなくなったら、来るから。」

「ふん。わかってるならいいぞ、帰っても。じゃあな。」


図書委員と、白石くんを残して私は帰宅した。