「聞いて、響。同じピアノを選んだ人の中にねなんと、”赤城隼人”くんも一緒なんだって。」

ん？赤城隼人……誰でしょう。聞いたことはあるのですけど……分かりません。

「ん？その人は誰なんですか？心愛」

「えっ！？知らないの？赤城隼人って言ったら、響の家の神崎家と並ぶくらいの実力を持つ一家だよ。」

えっ！？そうなのですか？初めて知りました。神崎と並ぶって事は、とても凄い一家なんですね。

「そ、そうなんですね。知りませんでした。」

「本当に知らなかったの？あんなにイケメンなのに！！」

「は、はい。」

「し、か、も、同じクラスなんだよ。」

「そ、そうなんですか。知りませんでした。私、本当に人の名前を覚えるのが苦手なんです。」

本当に知らなかったのです。神崎家と並ぶっと言っても私には関係のなかったことですので、本当に知りませんでした。…………赤城隼人………ですか。少し、気になります。