緊張します。
けど、私には皆がいるからきっと大丈夫です。

トントン
(扉をノックする音)

「………失礼します。お、お久しぶりです。お父様、お母様、お姉様、お兄様……お、お元気そうで…なによりです。」

どうしましょう。
震えが止まりません。

「響、久しぶりだな。元気だったか?」
と、お父様の宗一郎が言います。

「はい。元気……です。お父様もお元気そうでなによりです。」

「響、少し痩せたんじゃない?ちゃんとご飯たべてるの?」
お母様の薫が言います。

「自分で自炊をしております。体調管理には十分気を付けております。」

「おかえり響。」
と、お兄様が言いました。

「お兄様、ただいま戻りました。」

「フフ何しに帰って来たの?私達の隼人くんや心愛ちゃんはどうしたのかしら。」

お姉様………隼人と心愛はお姉様のものではありません。

「隼人と心愛はお姉様達のものではありません。2人は……いえ、私も記憶を取り戻しました………あの時の記憶を取り戻しました!」

「「「「エッ!?」」」」

家族全員が驚いています。無理もないです。だって、記憶を取り戻したのですから。