「 俺は、今でも2年前と変わらず詩音の弾けなくなったピアノ含め全部、全部全部全部全部詩音が好きだ。 」

「 う、 」

「 照れてるの?可愛い。でも詩音が分かってくれないから 」

「 だって、!罰ゲームかなにかか疑いたくもなるよ、 」

「 呆れた。もういいじゃんなんでも。
罰ゲームでもなんでも、詩音の気持ち思うままに行動しなよ、俺相手に感情押し殺すとか詩音らしくねーー。 」



そう言うと腕の中の詩音は静かになった。


しばらくして胸を小さな力でぐいぐいと押されてる感覚があって腕を解いた。


一歩下がった詩音は、俯いていて表情がよく見えなくて不安になる。


次の瞬間、何か吹っ切れたように正面を向いて、くしゃりと笑った。


いつもみたいなゆるゆるな笑顔じゃなくて、泣きそうな、それでも綺麗な笑顔だった。


すっと息を吸って、吐き出された息と本音に俺は笑みが零れて、声を上げて笑った。











「 奏佑が好きだばか!!! 」