俺達がいる2階の事務所のドアの外で、
足音が止まるとドアが開いた。

「……ただいま、皆。」

そこには、レナさんがいたのだ……。

「レナさん！？」
「解放されたの！？無事で良かった！」

「遥斗……。」

俺の前に立つレナさんは、
だんだんと涙が溢れてきていた。

「レナさんっ！！ごめんなさい！！」

俺は衝動に駆られて、
真っ先にレナさんを抱きしめた。

「仲直り…もう、出来ないんぢゃないかって。良かった。本当に無事で良かった…。」

たった1日の事だったのに、凄く久しぶりに再会したように思えた俺は、レナさんの匂いを嗅覚に焼き付けた。

「うん…私も、仲直りしたかった。」

そう言って、ネイルがまだ欠けたままの手で俺を抱きしめ返してくれた。