「そこをどけぇえ!!!」

「難波さん!?」

難波さんが助走をつけて、ドアに体当たりすると鈍い音がした瞬間にドアが強引に開いた。

「助けてっ!!」

まりあさんが雅ママに馬乗りされている。
振り返った雅ママの顔はすっかり別人になっていた。

「飢えに…耐えられないの…許して。」

目は人間の2倍程の大きさで真っ赤に染まり、

口は怪物のように裂けていて、
吸血鬼のような鋭い牙を剥き出しにしている。

着物の裾からは、
長くて黒い触覚のようなモノが伸び、
ウネウネとまりあさんの腕に絡みついていた。

「サキュバス!"彼女から離れろ!!"」

緊迫する状況の中、俺は"魔性"を発動させた。