「おはようございます。
本日からこちらでお世話になります、
岸田 柚(キシダユズ) です。ご迷惑をおかけすると
思いますが、よろしくお願いします!!」


目の前に立つ、私の指導医に挨拶をする。

「…」

あれ、変だったかな??


「俺は櫻井 翔太(サクライ ショウタ)。こっち来て5年だから。わかんないこととかあったらなんでも聞いて。」


黒髪ショートに、眼鏡。

いかにもお医者さんって感じの人だなあ。

きっと頭がいいんだろう…

「はい!!よろしくお願いします !!」


「うん、じゃあとりあえず俺の担当の患者さんのとこ回診行くからついてきて。」

そう言って歩く先生の後ろをついていく。

よかった。優しそうな先生で。

病院も綺麗だし。

なんだか最近運がいいかも、なんて考えながら病院の廊下を歩く。

櫻井先生は224と書かれた個室の前で立ち止まり、慣れた手つきで入る。


ベッドの上には1人の青年がいた。

「おはよう、雅紀くん。調子はどう?」

「今日はだいぶいいです。起きてられるし。」

なんだか感じのいい人だなぁ…

私の初恋の男の子に似てるな、なんて考えてたら。


「…い、おい!岸田!」

「は、はい!」

「俺の担当の相葉雅紀(アイバマサキ)くん。19歳。」

「岸田 柚です。よろしくお願いします!!」

「相葉です。よろしくお願いします。」

「」

素敵な人だなあ、、と見惚れてしまうほど、彼は端正な顔立ちをしていた。