5年前のセーラー服

過去にはこんなこと無かったのに…

「なんでよぉ…」

私は両腕を星夜くんに預けたままぼろぼろと涙を流す。

「ごめん。東山さん。俺…」

「星夜くんのせいじゃないよ…私が、悪いの…」

こんなの、誰のせいにもならない。

私自身の問題だ。

「ごめんね…星夜くん、巻き込んじゃって…」

やっとの思いで私は顔を上げ、笑顔をつくる。

「東山さん…!!」

気がついたら、私は星夜くんに抱きしめられていた。

「星夜くん!?」

「ごめん。俺、東山さんが好きなんだ…」

今にも消えそうな声で好きなんだよぉと繰り返す。

「星夜くん…」

私はそっと星夜くんの手を解く。

「ありがとう。星夜くん。でも、私…」

「分かってるよ。大丈夫…東山さんは、自分のこと責めなくたっていい。」