5年前のセーラー服

〜貴裕〜

まったく…

あいつ20点未満とか…

勉強したのかよ…

まぁ、バカでも別にいーけど。

俺は咲良を迎えに行くために教室に向かった。

ん?咲良以外にいるのか?

「訳わかんないよ…」

涙ぐんだ咲良が違うクラスの河原星夜と話しているのが分かった。

そういった途端咲良は俺がいた反対側の扉から咲良は教室を出ていってしまった。

俺はガラッと教室の扉を開ける。

河原星夜はパッと俺の方を見る。

「お前…どこまで聞いてたんだよ…」

しかめた顔をして俺に聞いてくる。

「何も聞いちゃいねぇよ。なんか聞かれたらまずいことでも話してたのか??」

「別に…」

河原星夜が俯く。

俺はゆっくりと河原星夜に近づく。

「お前!咲良に何したんだよ!!!」

気づいたら、俺は河原星夜の胸ぐら掴んでいた。

「なに、暴力で解決しようってかよ??」

「くっっ…」

俺は手を乱暴に離す。

「東山さんはさー、何も悪いことしてないから」

「だからー…」

「貴裕…!?」

俺は聞き覚えのある声に反射的に振り向く。

「咲良…」

咲良は驚いた顔で立ち尽くしている。

「咲良!行こう」

俺は咲良の腕を掴み、廊下へと駆け出して行った。