「本気だけど...な、何?」


「...大塚が可哀想になってきたわ」


「うーん、確かにあいつの性格の悪さには同情するね」


「そういう意味じゃなくて...まあいいわ」



じゃあどういう意味なのか気になるけれど、美香に「気にしないで」と言われてしまったからには仕方ない。


少しモヤモヤしつつ、話を戻す。



「やっぱり私、大塚に嫌われてるのかなぁ」


「は?」


「だって、そうとしか思えないし。だからあんな酷い態度なんだよ」


「...。」


「なんか嫌われるようなことしたかなー?全く身に覚えがない...」



美香に意見を求めるつもりだったのに、
「そう。大変ね」と、白けた表情で読書を始められてしまった。


うう...冷たい。