ケンカするほど仲がいい人達の話。

そう言って思案顔になった大塚は、何気なく美香の方に目をやった。

私もつられて美香を見る。



そう、本当にこの頃の美香は、様子がおかしいのだ。

今も、読んでいる本のページをめくる手は進む様子がない。

そのかわりに、なぜか憂いを帯びた顔で視線を下にやっていた。


いや、ていうか本のタイトル気になるな。

大塚もそう思っていたようで、怪訝そうに呟いた。



「あいつなに読んでんだ...?
.....『完全に人の記憶を消す10の方法』...?...怖すぎるだろ」


「一体誰の記憶を消す気なの...」



また死んだ目をその謎の本を読み始める美香。
本気で心配だ。