ケンカするほど仲がいい人達の話。

チン、と機械音がして扉が開くと、
水族館らしい、生暖かい潮の香りが鼻をかすめた。

大きな水槽の中を見下ろすと、人懐こい顔のイルカが優雅に泳いでいる。



「ここで時間潰してよっか」


「...ですね」



2人で、様々な動きをする彼らを見つめる。

愛くるしい動作に見入って、少し体が前のめりになった。

そんな私を見て、先輩が少し笑う。




「美香ちゃんって、ほんとにイルカ好きだよね」



そう言って先輩が、私の鞄についていたチャームを指で揺らした。

...しまった。外すの忘れてたーーーなんてもう遅い。



「このイルカのチャーム、まだつけてくれてたんだね」



そんな彼の言葉に、私は顔をあげられないまま。