やっぱりバカじゃねーかと言わんばかりに鼻で笑いやがった大塚にカチンと来て言い返し...

そんなこんなで止まらないどころか、むしろヒートアップしていく私たちのケンカを止める人は誰もいない。


みんな、「またか...」とでも言いたげな目でわたしたちを素通りしていく。



どちらが先に教室に入るか、たったそれだけのことでケンカするなんて下らない。うん。私もそう思う。


でも、こいつがいちいち突っかかってくるのが悪い!



「だいたい...」
「ストーーーップ!」



また開きかけた私の口は、誰かの声に遮られた。


その声の主は、いつも決まっている。



「美香!」