「朝早くにすみません、お邪魔します」


「あら、美香ちゃん!久しぶりね〜相変わらず美人さんだわ〜」


「そんな...一果のお母さんの方がずっとお綺麗ですよ」


「もうやだ、口がうまいんだから〜!あ、待ってて、この前買ってきたケーキがあるのよ」


「いえいえ、お構いなく」



「...。」



さすが有言実行。

あの電話からわずか10分程度でうちのインターホンが押され、

対人スキルを発揮しながらの美香様のご登場である。



「一果、おはよう」


「どうぞ上がって...で、どうしたの?」


「決まってるじゃない」



そう言って美香が大きめなバッグから取り出したのは、



「一果をとびきり可愛くしにきたのよ」



化粧品の入ったポーチと、可愛らしいワンピースだった。