休み明け、朝のざわざわと騒がしい廊下を、私、皆月一果(みなづき いちか)は眠い目をこすりながら歩いていた。



長い階段を経て、やっと教室の前まで着き、そのドアに手をかけた時。



「「...あ」」



その手が、同時に出された誰かの手と重なった。



「大塚!」
「皆月!」



それは、同じクラスの大塚玲弥(おおつか れいや)のものだった。