その後、額田と言う刑事さんから彼女の知られざる過去を聞いた
「僕はね、彼女が小さい頃から家に様子を見に行っていたんだ
近所から苦情が来るほど暴れる父親でね…
何度か保護したんだけど、連れ戻されてはまた暴力を振るわれ
ついに母親が家を出て行ったんだ。
そしたら怒りの矛先がみおちゃんに向いて、さらにエスカレートした
彼女の前歯は2本が人工。一生消えない大きなあざ、記憶を失うめまい
辛い重荷って言ったら本人に失礼だけど、背負ってきたんだよ色々…
耐えかねた従兄弟の家族が引き取って育てていたけど、
…最近、家の近くのスーパーで見たらしいんだ。父親を。
それで俺のところに一度相談に来てたんだ……
…それなのに、何もできなかったっ……」
唇をかみしめて、怒りと悔しさをこらえる刑事さん
「このことはもうすぐ公になる。マスコミも週刊誌も放っておかない案件だ
気になるかもしれないけど…あまり近づかないほうがいい。」
信じられない現実が心に刺さって抜けなくなった
明日になったら夢から覚めたりするのか……



