キーンコーンカーンコーン…
「おい!勇!部活いくぞ!」
ん…?部活…?…あ!
「う、うう、うん!」
あらら…僕また寝ちゃったみたい。
ほんとダメな奴だな、僕って。
もうすぐ高3だっていうのに…
「ほら、もっと早く走れよ!遅れるぞ?」
「う、うん!…ごめん。」
…はぁ、はぁ、
ちょっと走っただけなのに、こんなに疲れた…
体力もないなんて、ほんとダメだな…
一応部活には間に合ったけど。
「はぁ…」
「あっ!ゆうくん!」
あ。
「田中せんぱい…こ、こんにちは」
田中美里せんぱい。
テニス部で1番優しい先輩だ。
「美里せんぱいでいいっていつも言ってるじゃん!」
僕のメガネを覗き込みながら先輩は言った。
「す、すいません…」
「ほら!言ってみ!」
急に言われても…僕、できないよ…
「え、えっと…」
「はやく!!」
「み、みさ…」
その時だった。僕を呼ぶ声が聞こえたのは。





…さっきは危なかった〜…
先輩の事を下の名前で呼ぶなんて、僕…
「勇!はやく来いよ!」
「う、うん」
それにしても、僕、なんでこんなに汗かいてるんだろ。
まさか…先輩のこと意識してるとか?
いや、ないない。
だって先輩には彼氏が…いそうだし。
「今日の練習はー…だ。よし!はじめ!」
「「お願いしますっ!!」」
すぐ隣のコートには、田中せんぱい。
…かっこいいなぁ。
そして、たまに見えるお腹もまたいい…
って!僕はなんてハレンチなんだ!!
ダメじゃないか…
「おい!森田!ぼうっとしてるな!」
「は、はいっ」
最近田中せんぱいのこと、変に意識してるんだよなぁ
とりあえず部活に集中しなきゃ。
「ゆうくん!」
この声は…
「田中せんぱい」
「ごめん、ボールとってくれない?」
足元に転がってきた1球のボール。
僕は無言で渡した。
「…ありがとね!」
「…」
な、なんでこのタイミングで田中せんぱいがぁ…泣
なんか僕おかしいぞ。
これってもしや…
ほんとにほんとに…
ー2時間後ー
「今日の練習はここまで!お疲れ!」
「「ありがとうございましたっ!!」」
今日の練習はほんとにダメだった。
打つボールは全部アウトするし…
てゆうか体に力入らないし…
うん、間違いない
これは絶対!!
病気だ…