『佐竹さん、毎日、綾音を応援してるって。そして、いつか日本に戻って来たら、また自分のヘアメイク担当して欲しいって』

『有難い申し出だけど…いつになるかな…1人前になるまでは、やっぱり日本に帰れないし』

『うん、俺も1人前の俳優になって成長するまで帰らない。綾音と一緒に成長していきたい。でも、佐竹さんのヘアメイクに戻ったら、俺、ヤキモチ妬くかも』

そう言って笑った。

『誰のヘアメイクをしてても、私が好きなのは悠介君…ただ1人だから』

恥ずかしいこと、私も言えるようになったかも。

『嬉しいよ、マジ、嬉しい。俺だけを見てくれてるって思ったら、俺、何でも頑張れるから。最初は…俺のこと、きっと好きじゃなかったんだろうけど』

ごめんね、最初はそうだった…

私は、佐竹さんを見てたから…

『でも、俺は、ずっと綾音を見てたんだ』

『…本当?信じられないよ、ただの地味な女だったのに』

『確かに地味だった』

悠介君が、また笑って言った。