そんな呼び方出来るわけないじゃない。

『すみません、それはちょっと…じゃあ、松山君で…』

苦笑い。

でも、松山君はすねたような顔をして言ったの。

『今日みたいに2人だけの時だけでいいから、悠介って呼んで』

嘘~

強引過ぎるし、この展開は何?

私、この年下の人にからかわれてる?

全然気持ちが読めないまま、私はヘアメイクを始めた。

まだすねてるみたい。

そういえば、2人きりになったのは、初めてだったかも。

『…悠介って、今、言って。ねえ、早く』

今度は少し甘えたように言った。

嫌だ…変にドキドキして来た。

だって、松山君も、本当に素敵で、可愛い要素もあるし、ちゃんと男らしい部分も持ち合わせてるし、少しハーフっぽい雰囲気もあるの。

だけど、何より声がすごく良いの。

私は声フェチだから、この声はヤバい。

もちろん佐竹さんの声の方が低くて素敵だけど…