『大丈夫です…すみません、仕事に戻ります』

必死で声を絞り出した。

『だめよ、休んでなきゃ。今日は佐竹さんのメイク、私がするから。綾音ちゃんは病院に行った方がいいわ』

麻里さん…

スタッフも、みんな麻里さんの言うことにうなづいてる。

どうして?

いつも、そんな優しい言葉かけてくれないのに…

メールで激しく私をののしったり、仕事のミスを押し付けたり…

影での麻里さんを、みんなは知らない。

メイク道具も無いし、今の私では、十分に佐竹さんをメイク出来ない。

仕方ない…

『すみません…よろしくお願いします』

私は、麻里さんにそう言って、スタッフの人に付き添ってもらい、病院に向かった。

佐竹さん…ごめんなさい。

仕事、全う出来なくて…

本当に情けない。

病院に着いて、点滴をしてしばらくしたら少し落ち着いた。

スタッフの人にお礼を言って、タクシーで帰るからと、先に仕事に戻ってもらった。

病院では、過労とストレスと言われた…

ストレスか…