今朝は少し微熱あるかも。

そう思いながらも、私は、フラフラしながら仕事に向かった。

悠介君やみんなも頑張ってるのに、私だけ休めないよ。

頑張らなきゃ…

メイク室。

入ってすぐに、私のメイク道具が無いことに気がついた。

必死で探したけど、その部屋には無かった。

結構大きなケースだ。

失くすわけもなく、誰かが…?

頭もフラフラするし、どうしよう…

泣きそうになった。

『なんで…』

そうつぶやいた瞬間、私は意識を失い、そのまま、床に倒れ込んでしまった。

どれくらい経っただろう…

ざわざわと、周りが騒がしくて、私は目を覚ました。

『あ!綾音ちゃん』

スタッフの人が私を呼んだ。

『大丈夫?しっかりして』

『良かった、目を覚ましたわ』

みんな、倒れ込んだ私を見つけて、びっくりしたみたいだった。

救急車を呼ばれる寸前だった。