私は、それから少し佐竹さんと話し、電話を切って、携帯をテーブルにゆっくりと置いた。

涙が出た。

悲しいでも、嬉しいでもない、違う感情。

私は、冷めきったココアに手を伸ばした。

でも…

泣けて泣けて仕方なくて、やっぱり1口も飲めなかった。

佐竹さん…

ずっとずっと大切な人だったのに…

私を愛してるって言ってくれたのに…

振られてもあきらめないって…

そう言ってくれたんだよね。

それから、私は、しばらく泣いた。

でも、泣き疲れて…

立ち上がって、洗面台で顔を洗った。

ほっぺたを両手で叩いて、気合いを入れた。

自分の気持ちに素直になれ!

そうだよ…

悠介君の声聞きたいって…

私、本当にそう思ったんだから。

悠介君…

早く会いたい…

会いたいよ…