どうしよう…

どんな言葉にして、佐竹さんに伝えようか…

『…困ってるんだね。そっか…僕は振られたのかな』

佐竹さん…

『…すみません…正直、私は今、混乱してます。佐竹さんは、ずっと前から私の憧れの人で。いつも支えられて来て…だけど、だけど今は…』

私は、勇気を出して続けた。

『私、好きな人がいて、お付き合いしてます』

佐竹さんは、しばらく黙っていた。

電話の向こうの重い空気が、私にも伝わって来た…

『…綾音ちゃんに振られた…ね。わかったよ。それなら仕方ない。大丈夫だよ、僕のことは気にしないでいいから。ただ…』

ただ…?

佐竹さんは、少し間をあけて、私に言ってくれた。

『僕は、綾音ちゃんをあきらめないから』

佐竹さんの魅力は、凄まじい。

なのになぜ…

私は佐竹さんの告白を断って、悠介君を求めたんだろう…

自分が、本当にわからなかった。