屋上?

よく分からないまま、私は支度をして、待ち合わせ場所に向かった。

洋服は紗弓と買い物に行った時に買った、ワンピースとカーディガン。

色は暗め。

似合うかどうかわからないけど…

紗弓がほめてくれたから、頑張って挑戦してみた。

待ち合わせ場所に着いたら、本当に屋上に上がれた。

特に何も無い場所だけど、ベンチはあった。

私はそこに座って、悠介君を待つことにした。

風が穏やか…

ほんの少しだけ肌寒いけど…

『ごめん、綾音』

悠介君が走って来た。

両手に何か持って…

『はい、綾音。コーヒー大丈夫?』

下のカフェで買ってきてくれたんだ…

嬉しい。

強引な中にある悠介君の気遣いが、とっても心地よくて、幸せな気分にさせてくれる。

『温かいの嬉しい、ありがとう』

悠介君と2人、ベンチに座った。

そんなに高いビルではなかったけど、それでも、手を伸ばせば空に届きそうな気がした。

私を見てから1口コーヒーを飲んで、悠介君が口を開いた。

『昨日までの綾音は100点。今日からの綾音は…500点』