キミのもの

「俺は大好きだよ」


「うっさい!バカ!死ね!」


「比奈子こそうるせーよ、ちょっと黙ってくんね?」


「はあ?なんで私がそん…っ!!!」


もうね、愛しくてしょうがない。


絶対に離してやらねー。


「っっもうっ!2回もキスするとか!ほんっとありえない!最っ低っ!あーもうやだー、最悪!死にたい」


「別にいーじゃん。減るもんじゃないし」


「はあっ?!そういう問題じゃないし!まじムカつくんだけど!」


って、すげー怒ってるのに、やっぱり抱っこされたままなんだよねー。


実はコイツ、俺に抱っこされてたいんじゃね?


「つかさー。比奈子、ぶっちゃけ俺のこと好きでしょ?」


俺がニヤニヤしてそう言ったら。


今の今まで怒髪天だった比奈子は、急に不敵に笑って、


「残念でした!大っ嫌いでーす。てゆーか、蒼真くんのものにだけは、絶対なってあげないもんね!」


だってさ。


じゃあ、俺がキミのものになるよ。


それならいいよな?


勝ち誇ったように笑う比奈子の可愛い唇に、ひっぱたかれるのを覚悟で、もう一度キスを落とした。




~完~