「佐瀬さん。兄さま」
しばらく経ってお喋りの輪から離れ、バーカウンターの方で静かに飲んでいた二人の許に近付いた。
空けてあった真ん中のスツールに座らせてもらうと、愁兄さまが柔らかく微笑みかけてくれる。
「楽しめてるかな? 可愛い僕の美玲は」
「はい、すごく! お友達が来てくれるのは初めてですし、一実ちゃんを兄さまにも紹介できたので」
「有沢君にはこれからも美玲の好い友人でいてほしいと思っているよ、僕も。・・・同性の友達を無理に作らなくても、かまわないんだから」
兄さまが労るようにそう言った理由は。
中等部の頃、クラスメイトの一部の女子にいじめ・・・というか意地悪をされたことが傷になってしまって、女性同士だと、仲良くできても気持ちまで許せなかったのを知っているから。
ですから、アテンダントの仕事を一緒に任された相手が一実ちゃんだったのは運命というか、まさに奇跡でした。
「美玲には僕がいて、双葉も立樹も、燿一も比佐志もいる。もちろん佐瀬も」
「・・・っっ・・・、ありがとう愁兄さま・・・」
目頭が熱くなったのを堪え、精一杯の笑顔を向ける。すると、何も言わずに佐瀬さんの掌が頭の上に乗った。
その温もりが優しくて、嬉しくて。鼻の奥がもっとつんとなって、・・・困りました。
しばらく経ってお喋りの輪から離れ、バーカウンターの方で静かに飲んでいた二人の許に近付いた。
空けてあった真ん中のスツールに座らせてもらうと、愁兄さまが柔らかく微笑みかけてくれる。
「楽しめてるかな? 可愛い僕の美玲は」
「はい、すごく! お友達が来てくれるのは初めてですし、一実ちゃんを兄さまにも紹介できたので」
「有沢君にはこれからも美玲の好い友人でいてほしいと思っているよ、僕も。・・・同性の友達を無理に作らなくても、かまわないんだから」
兄さまが労るようにそう言った理由は。
中等部の頃、クラスメイトの一部の女子にいじめ・・・というか意地悪をされたことが傷になってしまって、女性同士だと、仲良くできても気持ちまで許せなかったのを知っているから。
ですから、アテンダントの仕事を一緒に任された相手が一実ちゃんだったのは運命というか、まさに奇跡でした。
「美玲には僕がいて、双葉も立樹も、燿一も比佐志もいる。もちろん佐瀬も」
「・・・っっ・・・、ありがとう愁兄さま・・・」
目頭が熱くなったのを堪え、精一杯の笑顔を向ける。すると、何も言わずに佐瀬さんの掌が頭の上に乗った。
その温もりが優しくて、嬉しくて。鼻の奥がもっとつんとなって、・・・困りました。



