「・・・全部、あげます」

間近でぶつかった視線を受け止めて。すがるように見つめ返す。

「佐瀬さんが欲しいんです。・・・ぜんぶ」

刹那。
全身に彼の重みが圧し掛かり、口の中がいっぱいに埋まっていました。


いくらでも刻んでください。

言葉よりそれが確かだというなら。

何度でも。壊してもいい。

誰にも消せないように。


どうか。貴方の跡を、ひどく残して。