恋は、秘密主義につき。

「・・・・・・ごめん、なさい」

言える言葉はそれしかありませんでした。

「・・・本当にごめんなさい・・・っ、気持ちに応えられなくて・・・!」

震えそうになる声を振り絞り、彼の願いは受け容れられない意思を告げた。

征士君は息を呑んだように押し黙り。・・・数秒にも数十秒にも思える沈黙のあと、私を離さないままで、感情を抑えるように息を吐き出した。

「・・・・・・理由を訊いて、いい? 俺のなにがダメなの・・・?」

「・・・駄目なところなんて、・・・ないです、征士君には」

込み上げてくる涙を堪えて、続けました。

「・・・・・・私は今まで、自分から誰かを好きになったことがなかったんです・・・。結婚も、お祖父さまが見つけてくれた人とするんだって・・・ずっと思ってました。だから征士君が『迎えに来た』って言ってくれた時も嫌だって気持ちは無くて、自然に受け止められたのは本当です・・・」