放課後。
いつものように凛と帰っていた。
「えー!断るのぉ?」
「うん」
「なんだぁ、あんな人気者に告られたのに、もったいな〜い」
「いくら人気者でも、自分の気持ちが『好き』じゃないのに付き合ったら、相手に失礼でしょ……。それに、私はちゃんと、『好き』って思える人と一緒にいたい」
「ふぅん、唯もちゃんと、恋愛のこと考えられるようになったのね♪」
「……柳くんに失礼にならないように、真剣に考えてみただけだよ」
「唯ったらまっじめ〜!うん、でも、見つかるといいね。心から『好き』『ずっと一緒にいたい』って、思える人。」
「うん、そうだね」
凛は、そう言って私に微笑んでくれた。
私もそれにつられて、笑みを見せた。
凛は本当に、いい子だなぁ。
凛にも、ちゃんと凛のことを想ってくれる人が見つかりますように。
今度は凛のことを傷つけない、凛と真剣に向き合ってくれる人が現れますように。
「じゃ、また明日ねん♪」
「うん、また明日!」
凛といつもの曲がり角で別れ、お互い別々の道に足を運んだ。
そして……。

