「久しいな、エリー」

凛とした声でそう言うのは、リートだ。
相変わらず可愛らしい姿だ。エリーは微笑んだ。

「こんにちは、リートさん」

「……ここに辿り着くのに、二日掛かってしまった」

嘆くような口ぶりに、エリーは驚く。
口ぶりからして、きっとこの街に来てから二日間探してくれたのだろう。エリーは苦笑した。

「お疲れ様でした……」

「シャールには止められたのだがな、私が来なくてならないと思ったんだ」

「え、っと、何の御用でしょう?」

「一緒に来てもらいたい」

真剣な顔に、エリーは頷く。
準備を済ませ、エリーはリートと共に歩き出すが……二人の足はどう考えても海の方へ向かっていた。

「どちらへ行かれるんですか?」

「それは言えん。だが、とりあえず駅へ向かっている」

「駅は逆方向です。リートさん」

「……そうだったな」

トーンの下がった声に、エリーは笑って先導することにした。