暴走族彼氏

かってに話を進めている兄貴を見ながら、あたしの頭の中はチンプンカンプンだ。


・・・と、そこに


―ガラッ


勢い良く病室のドアが開いた。



わ・・・。


ワックスでほど良く立てられた金髪に近い茶髪、方耳に3つもついてるピアス、180くらいの長身、そしてなにより・・・人間離れしてるぐらいのキレイな顔。
きっと、その辺のミーハ―な女子なら確実に惚れてしまうだろう。


そこには、誰が見ても文句なしのイケメンさんが立っていた。


芸能人かよッ!?


それに気づいた兄貴が口を開いた。


「おーアキラ、おせーよ。
 総長の体より大事なもんがあんのか~。」


アキラ?
ってコトは、この人も兄貴のメンバーなんだ。

今あたしの背景には、きっと‘がっかり’という文字がかいてあるだろう。
兄貴のメンバーにはろくな人がいない。


「しょーがねーじゃん、らんま●/2の【再】がやってたんだもん。
 だいたい命の危機って、あしの骨折だけだろ。」


アキラって人が言った。

声は見た目ほど怖そうじゃない。
どっちかって言うと、明るい。

にしても・・・らんま●/2って。


「ひっでぇ~。このアニメおたくッ!」

「俺はオタクじゃねぇっ。マンガを純粋に愛する少年だ☆」

「「そーゆーのをおたくってゆーんだよッ!!」」


みんなが声をそろえて言った。