暴走族彼氏

お父さんとお母さんは、慣れたように病室に入っていく。

あたしも遅れまいと、病室をのぞいてみると・・・


「おー亜由ッ。やっと来たか。」


・・・って・・・ああ兄貴ッ!?
―と、その他兄貴のメンバー達。


「・・・何してんの?」

兄貴は、包帯でぐるぐるまきになった天井から足をつり下げられ、頭には包帯を巻いている。

「ぃやぁ~・・・ちょっとバイクで事故っちゃって。ホントまいったまいったッ。」


軽々しく言う兄貴に、

「バカたれッ!!バイクの運転技術がないからこんなコトになるんだッ。
 練習が足りんッ!!
 バイクもかすり傷でよかったもののっ・・。」


そぉ言って親らしくない言葉をはいているのはお父さん。


・・・おぃおぃ。
あんだけ乗り回してる兄貴にもっと遊ばせる気かよ。


「コレが噂の亜由ちゃん?」

そう口を開いたのは、その他兄貴のメンバーの1人。

顔は見たことある気がするけど、覚えてるほどではない。