放課後、俺は部活がないので家に帰った。そして、今日のことを思い出した。
めっちゃめちゃ幸せだったな…。そうだ!この事を忘れないように、日記をつけよう!
そう思い、机から大学ノートを取り出した。


11月18日  1日目
今日から日記をつけることにします。君との思い出をいっぱい書けることを願って。
今日は運命的な出会いをした。教室にいたくなくて、逃げ出して行った先の屋上で君と出会った。
最初は疑いを隠せなかったけど、君といると心が穏やかになったんだ。不思議なことだと思った。
いじめられている俺を見捨てず、真面目に俺の話を聞いてくれた。正直、嬉しかった。いや、めちゃめちゃ嬉しかった。
それに、俺って言ってくれって言った時は、びっくりしたけど、ありがとうって言ってくれた。
ありがとうって言われるのは、3か月ぶりだったから、とても嬉しかった。
それから、君と話をしてると日が暮れてた。
こんなにも1日が短いなんて思いもしなかった。
君のおかげだ。明日も会えるといいな、なんて思ってしまう自分が恥ずかしすぎる。
それに、いじめにも立ち向かえる気がする。
ありがとうって言わなきゃいけないな…。
明日も頑張ろう!




こんな感じかな?と思いながらペンを置く。
こんな特別な思い出忘れるわけないけど、書かないと、気持ちがあふれそうでこわい。
その時
「ご飯よー!」
と、母さんが俺を呼んだのでリビングに行く。
そして、テーブルの上に置かれたご飯を食べる。
うまい…。
今まで、こんなうまかった事があっただろうか?これも菜穂のおかげだな。
なんて思いながらご飯をほおばっていると、
「あら裕太。なんか嬉しそうね。」
と微笑みながら母さんがそう言った。
「え!?なんで?」
「だって、裕太がこんなにおいしそうに食べてくれるのなんて、そうそうないじゃない?」
「そーかな?」
「そうよ。お母さん嬉しいわ!」
「ありがとう」
母さんとこんな話をしたのはいつぶりだ??
いじめられてから、母さんとこんな楽しい会話をしたことが無かったから、とても嬉しかった。
幸せだなって思えた瞬間だった。