夕焼け 雨が上がる 給食の匂いが通りに満ちてゆく
オレンジの水たまり トンボが通り過ぎる
あの子がやってくる足音がする
今日は最初から祠にもたれかかる
「星ってやっぱりいいよね。どんな時も自分の色や光をもって光ってる。・・・私、星を研究する人になりたいんだ。でも少し理由があってね。なれないんだ。」
今まで見たことがない悲しい顔で笑う君。その後、何も無かったようにいつも通り星座の話をしてくれた。
「あれはペガスス座だね。そんなに明るくないんだけど周りに明るい星がないから目立ってるんだ。ペガススはペルセウスって人がメドゥーサを退治した時、メドゥーサの血が岩にしみこんで生まれたの。ぺガススはいろんなとこで活躍した。でもある時、ペガススの力を借りたベレロフォンが自分の力に惚れて天界を目指したのね。それを見た大神ゼウスが1匹のアブを放って、そのアブがペガススを刺したの。それに驚いたペガススはベレロフォンを振り落としてそのまま天に駆け上がって星になったんだ。」

もし僕が鳥になったなら、ペガススのように君をのせて赤い星のあるさそり座をめぐるのに。僕の背中ではしゃぐ君はいつくも神々のイタズラの話をするんだろうな。そして僕はその話の星座へ君を連れて行っていつまでもそうして過ごすんだ。