「今日席替えじゃなかったっけ?」
「確かに!」
次はあそこの席がいいとか
後ろで固まりたいよねとか
ナナとコウキが言い合っている。
実は3人同じクラスで1年のときも同じだった。
2年になってユウトとだけ別のクラスになって
3年でまた同じクラスになることを願っている。
チャイムが鳴って自分の席に戻る。
「本当は授業をするつもりだったんだが、ちょっとだけ話をしようと思う」
担任の竹内先生がいつもはない真面目な雰囲気を出して教壇に立った。
「最近、不審者が目撃されているのはみんなも知っているだろう」
先週の始めぐらいから校内に関わらず、この地域周辺で噂されていた。
不審者っていうか、変質者っていうか
とにかく危ない人がいるということだけが噂で広まっていた。
