目に映る光景はいつもと変わらないのに
何故かいつもより輝いてみえる。
「ユウト」
「ん?なに?」
名前を呼ぶと振り向く顔も
その優しい声も
「全部自分のものにできたらいいのに……ね」
「……?どうした?頭おかしくなったか?」
少し笑いを含んだ声に色んな感情が混ざり合う。
きっとユウトには分からない……。
いつの間にか隣にいることが
当たり前みたいになってた。
たまに見えるユウトの寂しそうな顔も
私なら触れれるんじゃないかって
簡単に考えていた。
「ユウト、今日放課後ひま?」
「うん」
「じゃあ2人で少し出かけよ」
「うん、久しぶりに行こうか」
まだユウトの知らない部分があるから
それを知るために約束した。
