両想いになったあの日から。


「そうだよ、ナナが変なテクニック使うとか似合わない」

ユウトの言葉に乗ってそう言った。

「まぁ今どうこうできるわけじゃないからさ。学校終わってから連絡とって瀬川の気持ちをちゃんと話せばいいんじゃないかな」

「そうだね…そうしてみる」

ずっと黙って聞いていたナナはここに来た時よりほんの少し顔が晴れていた。


「でもびっくりした。2人が付き合ってないって」


「ナナがそう思ってるならコウキも同じ感じなのかな?」


隠しているわけじゃないけど、なんとなく言わなかった。



「いいじゃん、どう思われようが。周りなんかどうでもいいだろ?」


「浅川って周り気にしないタイプだもんね」


「気にならないからな~」


そう言ってソファーに寝転んだ。
ユウトはたまにこうして授業をサボっている。
話は聞いていたけど、一緒にサボることになるなんて思わなかったなぁ…


「浅川くん、お話終わったみたいね」


「センセーごめんな」


「いいわよ。浅川くんから恋のお話聞けるなんて珍しいから」


そう言いながら笑う先生とユウトは仲がいいみたいで、少しだけ居心地が悪かった。

そうしているうちにチャイムが鳴り私たちは教室に戻って残りの授業を受けた。