俺の部屋に置いてある机の上に課題を広げ、勉強会が始まった刹那に二人からヘルプの声が上がる。

「みつる〜！早速わかんない！」と机に突っ伏する凪沙。

「難しいよ〜」と首を傾げる恋雪。

課題の一門目は、「石を打ち砕いて作られた石器はなんと言いますか」だ。簡単なんだけどな…。

「初っ端からかよ〜」

俺が苦笑いすると、二人は大きなため息をついた。しょうがない、解説しよう！

「この石器が使われていたのは、旧石器時代だ。旧石器時代は食べ物を求めて、狩猟や採集を行って移動しながら生活していた時代だな」

「モンゴルとかの遊牧民みたいだね」

恋雪が目を輝かせる。

「えっとぉ…石を打ち砕いて作られた石器だよね…。う〜ん……打製石器！！」

凪沙がしばらく考えた後、笑顔で答える。

「正解！」

俺がそう言うと、二人は答えを紙に書く。そして第二問に取りかかった。次も簡単だな。

「四つの古代文明を答えなさい。これはわかるか？」

俺が訊ねると、凪沙は首を横に振ったが、恋雪は「わかるよ！」と言った。