凪沙もそれをわかっているので、話を聞く態勢をしている。

凪沙と恋雪は歴史は苦手だが、伊達先生の授業は面白いと言っていた。だから聞く気になったのだろう。

まあ、俺も先生の授業が大好きだったんだけどな。

「何時代の話がいいかなぁ…」

伊達先生は考える。俺は「はい!リクエスト!」と手を挙げた。

「江戸時代の話が聞きたいです!」

「わかった。江戸時代の話をしよう!」

伊達先生は嬉しそうに、話を始めた。

「江戸時代は、1600年に関ヶ原の戦いで徳川家康が勝利し、1603年に征夷大将軍に任命され、江戸幕府を開いたことで始まったんだ」

「家康ってすごい政策を色々しましたよね!幕藩体制とか、参勤交代、譜代大名に外様大名!」

「みつるさん、すみません!何を仰られているのか全くわかりません!」

凪沙と恋雪が同時に言う。俺と伊達先生は大声で笑った。

「そうか、二人は歴史が苦手だったなぁ」

伊達先生が笑う。俺が説明した。

「幕藩体制っていうのは、幕府と藩の力で全国の土地と民衆を支配する江戸時代の政治制度のことだ。藩っていうのは、江戸時代の大名が将軍から与えられた領地やその支配の仕組みのこと」

伊達先生にバトンタッチ。

「江戸幕府では、政治は将軍が任命した老中が行い、若年寄が補佐したんだ。そのほか、三奉行など多くの役職が置かれたんだ」