「お邪魔しま〜す!!」

そう言って部屋に入ってくる凪沙と恋雪を、俺は「待ってたぜ!」と笑顔で出迎える。

今日は俺の家で遊ぶことになった。凪沙が課題の安土桃山時代がわからないと言ったので、安土桃山時代の大河ドラマを一緒に見て勉強することになった。

俺の家では、必ず大河ドラマは録画されている。歴史オタクなのは俺だけではなく、じいちゃんもばあちゃんも、父さんも歴史好きだからだ。

「みつるの家って、相変わらずすごいよね!サムライの家だ〜」

恋雪が、部屋に飾られている小さな甲冑を見てはしゃぐ。

「お姫様の着物があったら最高よ〜」

凪沙が笑う。俺は「いや、無理だろ」と突っ込んだ。

俺の家には、小さな甲冑などが普通に置かれている。みんなの家にはないらしい。

「まあ、とりあえず見よう!」

俺はテレビをつけ、録画してある大河ドラマを再生する。俺たちの前に置かれた机の上にはお菓子やジュースが置かれ、映画館に来たみたいだ。

「信長様!信長様!」

袴姿の家臣が廊下を走る。すると、襖が開いて立派な着物に身を包んだ織田信長が姿を見せた。

「織田って…私の苗字と一緒だ」

凪沙が笑う。俺は解説をスタートさせた。

「織田信長は今の愛知県の戦国大名だ。若い頃は常識はずれな行動が多かったから、「うつけ」と呼ばれたんだ。天下統一を目指し、安土城を拠点としたんだ」