「うん。農民の人たちは、戸籍に登録された六歳以上の男女に、口分田を与えて死ぬと土地を返させるという班田収授法のもとで働いていたんだ。でも、口分田が不足すると墾田永年私財法が出され、土地の永久私有が認められたんだよ!」

「うん、見事にわからない!」

凪沙と恋雪が同時に笑顔で言った。ねねさんは、「懐かし〜」と言いながらメモを取り続けている。

さて、そろそろ平安時代へ移ろう。

「平安時代は、749年桓武天皇が平安京に遷都して幕を開けたんだ。平安時代の貴族は寝殿造と呼ばれる立派な屋敷に住んでたんだぜ。貝合わせなど貴族の遊びが生まれたんだ」

「平安時代ならまだわかるかも!仮名文字が作られて、「源氏物語」や「枕草子」ができた!」

ねねさんが言う。うん、正解だ。

「政治では、藤原氏の摂関政治が有名だな!」

「せっかん?」

凪沙と恋雪が首を傾げる。

「娘を天皇の妃にして、生まれた子供を次の天皇に立てることで朝廷の実権を握ったんだ。天皇が幼い時には摂政、成人すると関白の地位について政治を行ったんだ!」

「へえ〜……」

俺の解説に、二人は目を丸くするばかりだ。しかし凪沙が手をあげる。

「平安時代には、浄土信仰が流行ったんでしょ?念仏を唱えたら極楽に行けるっていうやつ…」

「えっ?日本の神様優しすぎない?」

凪沙の言葉に恋雪が驚く。日本では宗教などは決められていないが、イタリアは違う。キリスト教のことはわからないけど、神様が厳しいのか?