模擬彼氏

でもそんな佐久本さんのお陰で、私と圭一さんは、両親公認の仲だ。

「執事の仕事は、退職したんだったな。」

「旦那様、その事ですが……」

圭一さんは、無職になるのが嫌みたいで、今頃になって自分のした事に、焦ってるみたい。

「いや、寺原にはこれからは、紗雪の結婚相手として、私の仕事を手伝ってもらう。」

「えっ!?」

本気で嫌がっているように見えるのは、私の気のせい?

「ビシビシ行くぞ!跡継ぎ!」

「跡継ぎって、旦那様……」

顔が引きつっている圭一さんを見るのも、なんだか楽しい。


「ふふふ。これでとりあえず、昇格ね。」

私は圭一さんの腕に、しがみついた。

「そうなるのかね。執事から、跡継ぎって。」

「ん?そうじゃなくて、模擬彼氏から、本当の彼氏によ。」

「えっ?そっち?」

私達は見つめ合おうと笑い合って、本当の恋人としての、キスを交わした。


- End -