『山内先生ってさ、今は独身だったよな?』

『うん、奥様を去年亡くされて、いろいろ大変なの。食事とか、身の回りのお世話も』

『まさか、奏がやってるの?』

奏が、うなづいた。

『先生には執筆に集中してもらいたいからね』

嘘だろ...

『先生って、50歳くらい?』

『そう、51歳。遅咲きだけど、先生が書く恋愛小説は、本当にリアルで感動するもん、実は私が先生の1番のファンだったりして』

小説の...だろ。

確かに良い小説だとは思う。

失礼だけど、顔も全然イケメンじゃないし、女好きだし、よくあんなピュアな恋愛話思いつくって思う。