僕には、答えが、ひとつしか無かった。

他の解答なんて、あるはずがなかったんだ。

奏がボロボロになるなんて、有り得ない。

もう、十分苦しんで来たじゃないか…

先生を…抹殺しなければ。

僕は、行動に移した。

合鍵は、簡単に手に入った。

奏と会うチャンスに、鍵の型を取るだけで良かったから。

都合よく、近所で強盗事件があったのも幸いした。

僕は、帽子、マスク、サングラスでわざと近くに設置されたカメラに映り込み、裏口からピッキングで中に侵入した。

ピッキングは…

学生時代の悪友の父親に、技術を指南してもらってたから、それも問題無かった。

いつか、こんな時のために…

奏を守るために…だ。

他にもいろいろ努力した。

空手も奏が知らない間に習得したし…

スーパーヒーローを気取っていたのか?

いや、僕はただ、奏にとっての本物の王子様になりたかっただけなんだ。