奏は、そのうちに疲れてしまって、泣きながら眠った。

僕には、奏を信じさせるだけの信用がなかったのか?

そう思うと、とても悲しかった。

みんな…裏切る…

奏が言ったその言葉がなぜか深く胸に残り、僕はふと、奏が子どもだった頃のことを思い出していた。

奏の家族…

父親が行方不明になっている。

何か関係があるのか?

僕は、妙に気になった。

調べてみたい…

奏の過去を知りたい。

奏の全てを知りたい…

そう思ったら、僕はいてもたってもいられなくなった。