それでも見つからなくて、泣きそうになっていた。



「どうしたの?」



突如、そう声がかかり、私はハッとして横を向いた


そこにいたのが、百合様だった。
受験の緊張から、気づいていなかったが、ありえないくらいの存在感をまとい、周りの視線を集めていた百合様。



そんなゆり様に話しかけられて緊張しないわけがない。
「あ、、ぇと、その、、、」



かなり緊張してまともに喋れない私にイライラすることも無く、


「何かなくしたの?」


そう言って柔らかく、まるで花が咲いたかのようにフワッと笑った。


その笑顔に一体なん人の人が見とれたことだろうか


「あ……はい、あの、受験票が……」