そう一息で話した彼は手を差し出してくれる。お礼を言ってその手を取りながら
「いえ、こちらの不注意もあるので。
神崎先輩、ごめんなさい。痛いところはないですか?」
とぶつかった男、神崎 暁人ーカンザキアキトーに問いかけると、またもや無言。
私が困っていると、話しかけてきた男、
高橋 蒼ータカハシ アオイーが代わりに答える
「ごめんね、無口なやつで。でもこいつ無駄に丈夫だから大丈夫だよ。百合ちゃんこそ大丈夫?そっちの方がダメージ大きそうだけど。」
「私は大丈夫ですよ。ありがとうございます。」
そう言って笑ってみせた。
「そっか、良かった。」
「はい。では、ホームルームに遅れては行けないので、失礼しますね」
私はそれだけ言い残し、その場を去った。
