そんな彼女を元気だな、と微笑ましく思いながら、廊下の角を曲がった。



ドンッ…!



急に受けた衝撃に耐えきれず、私は尻もちを着いた。


「……ってぇ、」


そんな声が聞こえ、顔を上げるとこの学校の有名人の顔を見た。

「あ、ごめんなさい。」

「……」


謝っても無言で見下ろしてくる男に、どうすればいいのか惑っていると




「暁斗、先行くなよ……って?」


「どうしたの蒼くん急に黙って」


「いや、暁人が止まってるから。
どうしたの、暁人急に止まったりして。」




「…………」



そんな会話が聞こえたかと思ったら、ぶつかった男の背後からまたもや有名人がひょこっと顔を覗かせた。



「あ!ぶつかったの!?暁人ちゃんと謝って起こしてあげなきゃダメじゃん。……って!君!!!真白百合ちゃんでしょ!やっぱ実物は違うねえ!久しぶりに学校に来たかいがあったよ!大丈夫??ごめんね、暁人が」