「あれ…雫?」 どっどっどっどっ さっきまでとは比べ物にならないくらい心臓がうるさくなった。 ちょっと痛いかも… 私はお兄ちゃんの背中の影で小さく縮こまっていた。 「雫 大丈夫だよ 日向(ひなた)は優しいよ」 お兄ちゃんは私の手を引っ張って横に立たせてくれた。 日向… 宮村…日向…… あっ! 私はお兄ちゃんに背中を押されてしまった。 玄関の電気が眩しくて少し目を細めた。